・イチオシメニュー

奈良県橿原市内膳町1-5-22に店を構えるたこ焼き店「あほや」。近鉄大和八木駅からほど近く、学生や会社員、地元の家族連れまで、幅広い客層が行き交う場所に暖簾を掲げている。派手な演出はないが、焼き台の前に立つと、長年積み重ねてきた“味への自信”が静かに伝わってくる。
・こだわり
「あほやの基本は、とにかく生地ですね」と語る店主。小麦粉の配合、水分量、そして決め手となる出汁。そのすべてが緻密に計算されている。焼き上がったたこ焼きは、箸で持ち上げるとふわりと軽く、口に入れた瞬間、ほろりとほどけるような食感が印象的だ。外はやさしく、中は驚くほどふわふわ。この食感を生み出すため、火加減や返しのタイミングにも一切の妥協はない。
そして特筆すべきは、しっかりと“出汁がきいている”こと。ソースやトッピングに頼らずとも、生地そのものに旨みがあるため、何もつけずに食べても満足感が高い。昆布や節類を中心に取った出汁は、主張しすぎず、それでいて確実に存在感を残す。「最後まで食べたときに、また次が欲しくなる味を意識しています」という言葉通り、重さを感じさせない仕上がりだ。
また、常連客からよく聞かれるのが「冷めてもおいしい」という声。時間が経っても生地がべちゃつかず、出汁の風味がしっかりと残るため、持ち帰りでも味が落ちにくい。「家で食べてもちゃんとおいしいと言ってもらえるのは、本当にうれしいですね」と店主は穏やかに話す。
さらに、あほやを語るうえで外せないのが名物“ぺちゃ焼き”だ。これは、たこ焼きをベースに、卵とチーズを合わせ、鉄板でぎゅっとプレスした一品。外側は香ばしく、中はとろりと濃厚。たこ焼きの出汁感に、卵のコクとチーズの旨みが重なり、まったく新しい味わいを生み出している。食べ応えがありながらもしつこさはなく、「これを目当てに来るお客さんも多いですよ」と人気の高さがうかがえる。
日常の中で、気取らず立ち寄れる存在でありながら、味づくりには一切の妥協をしないあほや。ふわふわの食感、出汁の深み、冷めても変わらないおいしさ、そして個性あふれるぺちゃ焼き。そのすべてが、この店が長く愛され続ける理由なのだろう。
・ 店舗情報詳細
あほや
080-5710-0243
奈良県橿原市内膳町1-5-22
11:00 – 22:30

