若木屋

イチオシメニュー

・麻婆豆腐
・定食
・担々麺

静岡市清水区、巴川のほとりにある港町。その一角に、地元で長く愛される中華食堂「若木屋(わかぎや)」がある。昼どきには近隣の会社員や港で働く人々が次々と訪れ、店内はいつも活気に満ちている。メニューはどれも手頃で、どこか懐かしい味わい。中でも人気を集めているのが、看板メニューの麻婆豆腐だ。

・こだわり

店主が目指すのは「短い時間でも、きちんとおいしい食事を楽しんでもらうこと」。忙しい日常の合間に立ち寄れる場所でありながら、味には一切の妥協を許さない。限られたランチタイムに“本格中華の満足感”を感じてほしいという思いから、若木屋では調理のスピードと丁寧さの両立を徹底している。

麻婆豆腐は、そんな店の哲学を象徴する一皿。香味野菜をじっくり炒めて旨みを引き出したあと、自家製の豆板醤と甜麺醤を加えて香ばしく仕上げる。味の決め手は、山椒の使い方だという。花椒のしびれるような辛みと、ひき肉の旨みが絶妙に調和し、一口目から食欲を刺激する。辛さの中にコクと深みがあり、ごはんが進む味わい。辛さは程よく、誰でも楽しめるバランスに仕上げられているのが人気の理由だ。

豆腐は地元・清水の豆腐店から毎朝仕入れる新鮮なものを使用。やわらかく舌触りなめらかで、麻辣のソースと絡んだ瞬間、ふわりと旨みが広がる。ひと皿の中に、“手間を惜しまない中華の技”が息づいている。

また、若木屋では「料理を待たせない」というポリシーも大切にしている。店主は注文が入ると、まるで舞うような手際で中華鍋を振る。火加減を見極め、一瞬で食材を仕上げるその技は、長年厨房に立ってきた職人の経験の賜物。客席からはその音と香りが伝わり、食欲をそそる。

「うちは豪華な中華レストランではないけれど、短い時間でも“ちゃんとおいしい”と思ってもらえるようにしています」と店主は笑う。仕事の合間にサッと立ち寄り、熱々の麻婆豆腐をかき込んでまた現場へ戻る――そんな日常の一コマを支える店。それが若木屋の姿だ。

テーブル席のほか、カウンターもあり、一人でも気軽に入れる雰囲気。常連客の中には「10分で食べて元気が出る」と語る人も多い。食後には小さな湯のみで出されるお茶がほっと一息の時間をくれる。

「早く、でも丁寧に。忙しい人の胃袋を満たしたい。」
若木屋の厨房には、そんな静かな情熱が流れている。
港町・清水の人々の暮らしとともに歩む中華食堂――それが「若木屋」だ。短い時間でも、確かに“満たされるひと皿”をここで味わってみてほしい。

・ 店舗情報詳細


店名

若木屋

お問い合わせ

054-352-1910

住所

静岡県静岡市清水区港町2-9-13

営業時間

11:30-13:00

17:30-21:00