・イチオシメニュー

大阪市住吉区・あびこ駅から少し歩いた住宅街の一角に、落ち着いた雰囲気の小さなイタリアンレストラン「una goccia(ウナ ゴッチャ)」がある。扉を開けると、白を基調としたシンプルな空間に、オリーブオイルやワインの香りがふわりと漂う。静かなBGMの中、オープンキッチンからは料理の音と店主の穏やかな声が聞こえ、どこか温もりを感じさせる空気が流れている。
・こだわり
こだわりは、何よりも素材選びにある。シェフは毎朝、地元・大阪の市場へ足を運び、自分の目で旬の食材を見極める。魚はその日の状態を見て仕入れ、野菜は香りや色味、食感まで確かめてから選ぶという。季節の移ろいを感じながら、毎日違う表情を見せる食材と向き合うのが日課だ。
「その日に仕入れたものを、いちばんおいしい形で出したい。だからこそ、同じメニューでも日によって味や盛りつけが少し変わることもあるんです」とシェフは笑う。固定されたメニューに頼るのではなく、“旬のひとしずく”を料理に落とし込むことこそが、この店の流儀。魚介のカルパッチョや季節野菜の前菜、パスタや肉料理など、どれも素材本来の魅力を最大限に引き出している。
例えば春には筍や菜の花、夏はトマトやとうもろこし、秋はポルチーニやサンマ、冬には牡蠣や根菜など、季節の食材がメニューに自然に溶け込む。味付けはシンプルに、素材の力を生かすよう心がけているという。「イタリアンといっても、ベースは“日本の四季を感じられる料理”にしたい。だから地元の旬を使うことは欠かせません」。その言葉通り、ウナ ゴッチャの一皿には大阪の“今”が映し出されている。
調理の中で大切にしているのは、ひと手間を惜しまないこと。素材の下処理から火入れ、ソースづくりまで、丁寧な作業が積み重なっている。特に人気のパスタは、茹で加減とソースの乳化に徹底的にこだわり、ひと口目から最後まで味の一体感が続く。飾りすぎないのに、記憶に残る味わいだ。
また、店内にはカウンターとテーブル席があり、ひとりでも気軽に立ち寄れる雰囲気。ランチでは自家製フォカッチャとともに季節のパスタを、ディナーではワインを片手にアラカルトやコースを楽しむ常連客が多い。温かみのある接客と静かな時間の流れが、訪れる人の心をほっとほどいてくれる。
「ひとしずくでも、人の心に残るような店でありたい」とシェフは語る。毎日の市場通い、旬へのこだわり、手を抜かない仕込み――それらすべてが、やまない“情熱のひとしずく”としてこの店を形づくっている。
・ 店舗情報詳細
una goccia
070-8546-2119
大阪府大阪市住吉区苅田7-8-13
17:00 – 00:00
火
