・イチオシメニュー

北海道・函館といえば、塩ラーメンの名店が立ち並ぶ“ラーメン激戦区”として知られています。そんな中で2023年、函館市白鳥町に登場したのが、「貝出汁らぁ麺 まえ川」。この店は、地域のラーメン文化に新風を吹き込む“貝出汁”専門のラーメン店として注目を集めています。函館では初となる「貝出汁らーめん」を提供するこの店の味は、ラーメン通や地元民の間でもじわじわと話題を呼んでいます。
・こだわり
まえ川」の最大の特徴は、北海道産の帆立と昆布を贅沢に使用した出汁。動物系スープを一切使わず、海の旨味だけで仕立てたそのスープは、雑味がなく、じんわりと染み渡るような味わい。まさに、“飲み干したくなる一杯”です。帆立の貝柱からじっくりと抽出した甘味と、函館近海で採れた上質な昆布の旨味が絶妙に重なり合い、奥深くもすっきりとした後味に仕上がっています。
このスープに合わせるのが、こだわりの“平打ち麺”。程よいコシと滑らかなのど越しが特徴で、出汁の風味をたっぷりと抱え込むように設計されています。つるりとした食感とモチモチ感のバランスが絶妙で、スープとの相性も抜群。ラーメンという枠を超え、まるで和食の一品を味わっているかのような、上品さすら感じられる一杯となっています。
おすすめメニューは、やはり店名にもなっている「貝出汁ラーメン」。見た目はシンプルながら、スープに浮かぶ貝の香りと、仕上げに添えられた具材の一つひとつに店主の丁寧な仕事ぶりがうかがえます。チャーシューやメンマも控えめながら高品質で、主役である貝の旨味を邪魔せず、全体を引き立てる名脇役として機能しています。
店主は和食の技法にも通じており、その経験を生かした“出汁のとり方”には特に力を注いでいます。火加減、時間、素材の扱いすべてにおいて妥協なく、一杯のラーメンの完成度を追求しています。そのため、一見シンプルに見えるラーメンも、実は計算し尽くされた調和の上に成り立っているのです。
また、店内は落ち着いた雰囲気で、カウンター中心の構成。ひとりでも気軽に入れる気取らない空間ながら、清潔感があり、女性客や年配の方からも好評を得ています。ラーメン店にありがちな喧騒とは一線を画し、静かに一杯を味わいたいという人にとって理想的な空間です。
「貝出汁らぁ麺 まえ川」は、ラーメンを“スープ料理”として昇華させたような一軒。動物系の重さに頼らず、素材本来の旨味だけで勝負するその姿勢は、まさに新しいラーメンの形を示しています。函館の新定番を探しているなら、まず訪れるべき一店と言えるでしょう。
・ 店舗情報詳細
貝出汁らぁ麺 まえ川
0138-43-3043
北海道函館市白鳥町14-13
11:30 – 14:30
17:30 – 20:30
月曜日
