・イチオシメニュー

京都・四条烏丸からほど近く、高倉通仏光寺東入ル新開町にひっそりと佇む「オステリア・コチネッラ」は、町屋を改装した温もりある空間で本格イタリアンを楽しめる人気店だ。木の梁や格子を活かした内装は、京都らしい落ち着きを感じさせながらも、どこか親しみやすく、肩ひじ張らずに食事とワインを味わえる雰囲気に満ちている。
・こだわり
店名の「コチネッラ」はイタリア語で“てんとう虫”を意味し、その名の通り、小さくても丁寧に、幸せを運ぶような料理を届けたいという想いが込められている。料理の基本は「素材を活かしたシンプルな構成」。旬の野菜や魚介、肉類を厳選し、それぞれの持ち味を最大限に引き出すため、余計な手を加えず、しかし一皿ごとに確かな工夫を施している。前菜からデザートまで流れるように構成されたコースはもちろん、アラカルトでも季節ごとの魅力が楽しめる。
中でもおすすめのメイン料理が「万葉牛のロースト」だ。選び抜かれた上質な万葉牛をじっくりと火入れし、外は香ばしく中はしっとりとした口当たりに仕上げられた逸品。豊かな旨みと繊細な脂の甘みが絶妙に調和し、噛むほどに深い味わいが広がる。シンプルなローストだからこそ、火加減と塩加減、そして肉そのものの持つ力強い味わいが際立つ。付け合わせの季節野菜やソースも、肉の風味を引き立てるよう計算され、ひと口ごとに満足感を与えてくれる。ワインとの相性も抜群で、店内に常時500本以上揃うワインの中から、万葉牛の旨みに寄り添う一本を提案してもらうのも楽しみのひとつだ。
料理だけでなく、空間づくりや時間の流れにも細やかな配慮が感じられる。照明は柔らかく、テーブルの間隔もゆったり。カウンター席ではシェフの手さばきを眺めながら、グラスを片手に静かなひとときを過ごせる。デートや記念日はもちろん、仕事帰りにふらりと立ち寄って一杯、という使い方もできるのがこの店の魅力だ。
「オステリア・コチネッラ」は、京都の中心にありながら喧騒を離れ、食材・料理・ワイン・空間のすべてに誠実な姿勢を貫くレストランである。華やかさよりも、丁寧さと温かみを感じさせるその料理には、シェフの確かな技術と“日常の中の特別”を大切にする想いが詰まっている。万葉牛のローストをはじめとする滋味深い料理の数々を通して、京都の夜にゆっくりとした幸福の時間をもたらしてくれるだろう。
・ 店舗情報詳細
オステリア・コチネッラ
075-365-4300
京都府京都市下京区新開町397-2
18:00~23:30(L.O.23:00)
月曜日

