・イチオシメニュー

伊豆大島の南部、差木地地区。観光地の喧騒から少し離れた場所に佇むのが「大島ブラック本店」だ。島の風と潮の香りを感じながら店に足を踏み入れると、ここでしか味わえない一杯を求めて人が集まる理由が、自然と伝わってくる。
・こだわり
この店の看板商品「大島ブラック」は、他ではなかなか出会えない存在感を放つ。最大の特徴は、名前の通り真っ黒なスープだ。見た目のインパクトは強烈だが、単なる話題性に終わらないのがこの一杯。味わいはしっかり濃いめでありながら、ただ塩辛いわけではなく、奥行きのある旨味が舌に残る。店主は「濃いけれど、最後まで飲めること」を常に意識しているという。
スープのベースは豚骨と鶏ガラ。そこに独自配合の濃口醤油を合わせ、火加減や炊き時間を細かく調整することで、重たさを抑えつつも力強い味に仕上げている。黒さは個性であり、この店の象徴だが、主役はあくまで味。そのバランス感覚こそが、「大島ブラック」が他と被らない理由だ。
さらに特徴的なのが、伊豆大島ならではの食材を積極的に取り入れている点だ。地元で採れる食材を使い、可能な限り地産地消を意識することで、島の風土がそのまま一杯に反映される。観光客にとっては「島らしさ」を感じられる味であり、島で暮らす人にとっては日常に根付いた馴染み深さもある。
麺はスープとの相性を最優先に考えた中太麺。濃いスープに負けないコシと、歯切れの良さを両立させている。島という立地上、仕入れや保管には制約も多いが、品質を落とさないための工夫を重ねているという。スープ、麺、具材のどれかが突出するのではなく、一杯として完成することを最も大切にしている姿勢が伝わってくる。
チャーシューや具材も脇役ではない。じっくりと煮込んだチャーシューは、脂の甘みと肉の旨味が濃いスープと一体となる設計。ネギやメンマも食感や香りを計算し、最後まで飽きさせない。
店内にも、この店ならではの物語がある。実は内装の多くを、オーナー自らの手で工事したという。無駄な装飾を省いた空間は、どこか温かみがあり、島の空気とよく馴染む。「自分の店は、自分で作りたかった」という言葉通り、空間づくりにも強い想いが込められている。
「大島ブラック本店」が目指しているのは、観光客向けの一過性のラーメンではない。島の人が日常的に食べ、そして島を訪れた人の記憶に残る味。伊豆大島の風土と人の手仕事が凝縮されたこの一杯は、今日も変わらぬ存在感で、島の食文化を支え続けている。
・ 店舗情報詳細
大島ブラック本店
04992-7-5605
東京都大島町差木地1007-31
11:00〜14:00
17:00〜20:00
日
11:00-14:00

