・イチオシメニュー



兵庫県神戸市西区、住宅街の一角に漂う香ばしい香り。その源は、地元で評判の小さな餃子店――「まゆみちゃんの餃子」。店名のとおり、店主が一つひとつ丁寧に包み上げる家庭的でありながら本格派の味が、地域の人々の胃袋をつかんで離さない。
・こだわり
店に足を踏み入れると、鉄板で焼かれる餃子の音とともに、食欲をそそる香りが広がる。パリッと焼かれた皮の香ばしさと、立ち上る湯気の中に漂うニンニクと野菜の香り――その瞬間に、思わず「うまそうだな」とつぶやいてしまうほどの臨場感がある。
人気の秘密は、“手づくり”への徹底したこだわりだ。餃子の皮も餡もすべて自家製。皮は毎朝、粉から練り上げ、その日の湿度や温度によって水加減を変える。店主の感覚で仕上げられた皮は、焼くと外はパリッと、中はもちっとした弾力があり、時間が経っても硬くならない。その絶妙な食感が、まゆみちゃんの餃子の大きな魅力だ。
中の餡には、地元産の新鮮なキャベツとニラ、国産豚肉を使用。野菜の甘みと肉の旨みのバランスを何度も試作し、理想の比率にたどり着いたという。特筆すべきは、余計な調味料に頼らない自然な味わい。にんにくやしょうがは控えめで、あくまで素材本来の旨みを引き立てる仕立てになっている。女性や子どもにも食べやすく、毎日でも飽きない味わいだ。
焼き餃子はもちろん、水餃子や揚げ餃子も人気で、それぞれに合わせた皮の厚みや焼き加減を調整しているという。特に焼き餃子は、表面をカリッと仕上げたあと、少量の水を加えて一気に蒸し上げる。こうすることで、外は香ばしく、中はジューシーな理想の食感が生まれる。
また、餃子とともに提供される特製ダレも見逃せない。ベースは自家製の醤油ダレで、そこに少量の酢とラー油を加えると、餃子の旨みが一層引き立つ。中には自分好みの比率でブレンドして楽しむ常連客も多いという。
「まゆみちゃんの餃子」はテイクアウトも人気で、夕方になると持ち帰りの注文が相次ぐ。焼き立てはもちろん、家庭で焼ける冷凍餃子も好評だ。「自宅でも同じ味を」との思いから、冷凍でも風味が損なわれないよう工夫を重ねている。
一方で、店内で味わう魅力も格別。焼き立てを頬張りながら、ビールを片手に語らう常連客の姿は、この店の日常風景だ。まゆみさんの明るい笑顔と気さくな会話が、訪れる人をほっとさせる。
「派手なことはできないけど、ひと口で“うまい”と思ってもらえる餃子を出したい」。
その言葉どおり、「まゆみちゃんの餃子」は、奇をてらわず、ただ真っ直ぐに“おいしさ”を追求している。
神戸の下町に息づく、人の手の温もりを感じる味。
それが、「まゆみちゃんの餃子」の一番のごちそうだ。
・ 店舗情報詳細
まゆみちゃんの餃子
080-8216-1661
兵庫県神戸市西区王塚台7-82-1
月・火・木・金・土・日
11:00 – 15:00
17:00 – 21:00
水

