・イチオシメニュー

新潟県上越市・大潟区。日本海の潮風が心地よく吹き抜ける小船津浜の通り沿いに、どこか懐かしい佇まいの食事処「ごっつお屋 とくっと」がある。木の温もりを感じる看板に、手書きのメニュー。扉を開けると、厨房からは出汁の香ばしい香りが漂い、客席では家族連れや年配の常連さん、若いカップルまで、さまざまな世代の笑い声が交錯している。まさに“地元に愛される食堂”という言葉がぴったりの店だ。
・こだわり
この店の一番のこだわりは、何よりも「無添加」であること。使う食材や調味料はすべて厳選し、余計なものを加えず、素材そのものの味を生かすことを大切にしている。「体にやさしいごはんを、安心して食べてほしい」という店主の思いから、出汁、たれ、ドレッシング、ソースに至るまで、すべて手作り。厨房には市販の調味料がほとんど見当たらない。
たとえば人気のハンバーグ定食に使うデミグラスソースは、牛すじや香味野菜を何時間も煮込み、自然な旨味を引き出した一品。とろりとしたソースの奥に感じる深いコクは、時間と手間が生み出す“本物の味”だ。唐揚げにかける甘辛ダレや、サラダのドレッシングもすべて店主のオリジナル。毎日、手鍋を火にかけて少しずつ仕込む。
「既製品を使えば楽なんです。でも、自分の納得できる味にするには、やっぱり自分の手で作らないとね」と笑う店主。その言葉の裏には、食に対する真摯な姿勢がある。添加物や化学調味料を使わないからこそ、素材の良し悪しがそのまま味に出る。だから仕入れも妥協しない。野菜は近隣の農家から届く旬のものを中心に、魚や肉も地元の業者と信頼関係を築きながら選び抜いている。
店のメニューは和洋を問わず幅広く、定食や丼もの、麺類から一品料理まで、どれも心がほっとする味わいだ。中でも人気なのは、ステーキ丼、手ごねハンバーグ、サバの味噌煮、海老フライなど、老若男女に愛される定番料理たち。子どもからお年寄りまで、誰が食べても「おいしい」と笑顔になれる味を目指している。
店内は木のぬくもりが感じられるアットホームな空間で、座敷席もあり、小さな子ども連れの家族にも優しい。「おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、子どもたち――三世代で来てくれるお客さんも多いんですよ」と店主はうれしそうに語る。その言葉通り、平日の昼でも店内はにぎわい、誰もが自然とくつろいでいる。
「お腹だけじゃなく、心も満たして帰ってもらえるような場所でありたい」。その思いが「とくっと」の味の根底にある。飾り気のない手作りの料理に、どこか懐かしい温もりがあるのは、店主が一皿一皿に“人の気配”を込めているからだ。
・ 店舗情報詳細
ごっつお屋とくっと
025-520-7222
新潟県上越市大潟区小船津浜1165-9
水・木
11:00 – 14:00
金・土・日
11:00 – 14:00
17:30 – 22:00
月・火
