彩葉〜iroha〜

・イチオシメニュー

京都・左京区北白川。静かな住宅街の一角に佇む「彩葉（いろは）」は、地元で採れた旬の食材を大切に扱う“地産地消”の精神を軸とした和食店だ。白木を基調とした店内は、落ち着いた雰囲気の中にも温もりがあり、訪れる人々をやさしく包み込む。

・ 店舗情報詳細

店主は、「食材が一番おいしいのは“その土地・その季節”にあるもの」と語る。京都ならではの山の幸、丹波や亀岡の野菜、若狭から届く魚介などを中心に、毎朝自ら市場へ足を運び、その日の料理にふさわしい食材を選び抜くという。地元の農家や漁師とのつながりを大切にしながら、自然の流れに寄り添ったメニューづくりを心がけている。

料理の基本は「素材の声を聞くこと」。派手な味付けや過剰な装飾はせず、出汁や塩の加減で素材の良さを引き出す。その繊細な仕事ぶりは、ひと口ごとに食材の息づかいを感じさせるほどだ。季節の野菜を使った炊き合わせや、脂の乗った旬魚の焼き物など、どの一皿も“京都の四季”をそのまま映したかのよう。

また、「彩葉」では器にも強いこだわりを持つ。料理の彩りをより引き立てるため、信楽焼や京焼など、京都近郊の陶芸家による器を選んで使用。店主は「食は五感で楽しむもの。器ひとつでも料理の印象は変わる」と微笑む。盛り付けにも細やかな美意識が感じられ、目でも舌でも楽しめる時間が流れる。

さらに、料理と相性の良い日本酒も厳選。京都の地酒を中心に、季節ごとに内容を変えながら提供している。しっとりとした和の空間で味わう地酒は、料理の味わいをさらに奥深いものへと導いてくれる。

地元の人々から観光客まで、誰もがほっと心をほどくひとときを過ごせる「彩葉」。京都の恵みを五感で味わいたい人にこそ、ぜひ足を運んでほしい一軒である。