・イチオシメニュー

ぬか釜のふっくらと立ち上る湯気に、香ばしいお肉の焼ける音。店の扉を開けた瞬間、五感をくすぐる香りに思わず「おいしそう」と声が漏れる――。ここは、全国的にも珍しい「ぬか釜ステーキ丼専門店 百一膳(ひゃくいちぜん)」。一膳ごとに真心を込めて炊き上げる“ぬか釜ごはん”と、絶妙な火加減で焼き上げるステーキが織りなす究極の丼が評判を呼んでいる。
・こだわり
ぬか釜炊きとは、精米の際に出る米ぬかを燃料にして炊き上げる昔ながらの炊飯方法のこと。ぬかが燃える独特の火力と香りで、釜の中は均一に熱が伝わり、米一粒一粒がつややかに立ち上がる。強火で一気に沸騰させ、自然の火の力で炊き上げるそのごはんは、甘みと香ばしさが際立ち、噛むほどに旨味が広がるのが特徴だ。炊き上がりのごはんは、ふっくらもちもち。それでいて軽やかで、どんなおかずとも相性抜群だ。
「火の入り方や炊き時間が日によって違うんです。ぬかの燃え具合や湿度、米の状態を見ながら、毎回調整しています」と語るのは、店主の百瀬さん。まるで料理人でありながら職人のように、釜の前に立つ姿勢は真剣そのもの。「同じ米でも、その日一番おいしく炊ける状態を探るのが楽しい」と笑う表情からは、料理への深い愛情が感じられる。
そんなぬか釜ごはんの上に豪快にのるのが、店自慢の「ステーキ丼」。肉は厳選された国産牛を中心に、部位によって仕入れ先を変えるという徹底ぶり。オーダーが入ってから鉄板で一枚ずつ焼き上げ、香ばしい表面とジューシーな中身のコントラストを引き出す。火入れのタイミングも計算され尽くしており、肉の旨味を閉じ込めたままごはんと融合する瞬間がたまらない。
味の決め手となるステーキソースも、もちろん手作り。玉ねぎやにんにくをじっくり炒め、隠し味に地元の醤油を加えることで、甘辛さの中に深みを出している。濃厚でありながら、ぬか釜ごはんの優しい甘みを引き立てる絶妙なバランスだ。さらにトッピングのわさびや卵黄で味変を楽しめるのも人気の理由。最後の一口まで飽きずに楽しめる。
「ステーキ丼」というとボリューム重視のイメージがあるが、百一膳の丼は“重すぎない贅沢”がテーマ。肉の脂とごはんの旨味が絶妙に調和して、女性客にも好評だ。ランチタイムには行列ができることも珍しくないが、炊き立て・焼き立てにこだわるため、一膳ずつ丁寧に提供するスタイルを崩さない。
「一膳に魂を込めて。お客様が“うまい”と言ってくれた瞬間が一番の喜びです」と語る店主。その言葉通り、百一膳の丼には、手間ひまと情熱がぎっしり詰まっている。
・ 店舗情報詳細
ぬか釜ステーキ丼専門店 百一膳
025-250-0760
新潟県新潟市中央区万代島2-12
10:45 – 19:00
火
