・イチオシメニュー

高知市鴨部の住宅街に、赤提灯のやさしい灯りがぽっと浮かぶ。そこが「やきとり純ちゃん」――どこか懐かしい昭和レトロな雰囲気が漂う、地域で愛される焼き鳥屋だ。木のカウンターにすり減った椅子、壁一面に貼られた手書きメニュー。古き良き時代の空気がそのまま息づいており、初めて訪れる人もどこか「ただいま」と言いたくなるような温かさがある。
・こだわり
「ここは、焼き鳥を食べる場所というより、人がつながる場所にしたいんです」と笑う店主の言葉どおり、カウンター越しにはいつも笑い声が絶えない。仕事帰りのサラリーマン、近所のご家族、学生、そして一人飲みの常連客――世代を超えて集まるこの店は、地域の“交流拠点”のような存在になっている。
そんな温かな空間を支えるのは、徹底した“素材へのこだわり”だ。焼き鳥に使う鶏肉はすべて国産鶏100%。冷凍肉は一切使用せず、その日の朝に届く新鮮な鶏を一串一串、丁寧に串打ちする。もも、ねぎま、砂ずり、こころ、つくね――どれも程よい弾力と旨味があり、噛むほどに鶏本来の香りが広がる。タレは地元の醤油をベースに、甘みとコクのバランスを追求した手作りの味。炭の香ばしさと絡み合うことで、飽きのこない奥深い味わいを生み出している。
もちろん、焼き鳥だけでは終わらないのが「やきとり純ちゃん」の魅力だ。定番の一品料理から季節のおすすめまで、メニューの幅は驚くほど広い。サクサクの唐揚げやだし巻き卵、ポテトサラダといった家庭的な味わいのものから、地元食材を使った創作メニューまで幅広く揃う。中でも人気なのは「とり皮ポン酢」――カリッと香ばしく焼いた鶏皮をさっぱりとした自家製ポン酢で和えた一品で、ビールや焼酎との相性は抜群だ。
ドリンクもまた充実しており、高知の地酒や焼酎、定番の生ビールに加え、女性客にも人気の果実酒も用意。気取らず、肩ひじ張らずに楽しめる一軒として、カップルや友人同士の利用も多い。
国産鶏へのこだわり、手間を惜しまない仕込み、そして何より人とのつながりを大切にする心――。やきとり純ちゃんは、焼き鳥の香りと人のぬくもりが交差する、まちの小さな“心のよりどころ”として、今日も鴨部の夜をやさしく照らしている。
・ 店舗情報詳細
やきとり純ちゃん
080-2102-9000
高知県高知市鴨部2-3-18
17:00 – 23:00
月
