雫bakery

・イチオシメニュー

北海道茅部郡森町駒ヶ岳345-3、雄大な駒ケ岳を間近に望むその麓に、2023年に開業した「雫bakery」。緑に囲まれた静かなロケーションの中、木々に包まれた玄関アーチをくぐると、店内には焼きたてのパンの香ばしい匂いがふわりと広がり、訪れる人をやさしく迎え入れる。自然と調和したその佇まいは、ここで流れる時間そのものが特別であることを感じさせてくれる。

・こだわり

オーナーである後藤美都さんは道東出身。北海道の“食”の魅力を改めて見つめ直し、その良さをパンという形で伝えたいという思いからこの店を立ち上げた。使用する原材料は、道産小麦、北海道産の卵や乳製品など、地元に根差したものばかり。生地づくりから成形、焼き上げまで、すべての工程を一つひとつ手作業で行い、素材の持ち味を最大限に引き出す丁寧なパンづくりを貫いている。

看板ともいえる角食は、もっちりとした食感と小麦本来の豊かな風味が際立つ逸品。そのほかにも、具材たっぷりの調理パンや総菜パン、自家製カスタードクリームを使った菓子パン、スイーツパン、パイ、ドーナツまで、日替わりでおよそ50種類ものパンが並ぶ。どのパンも形が少しずつ異なり、まさに“異なる顔の子”たちがショーケースにずらりと並ぶ光景は、眺めているだけでも心が弾む。選ぶ楽しさもまた、雫bakeryの大きな魅力のひとつだ。

店内にはイートインスペースも設けられており、大きな窓越しに広がる景色は、まるで一枚の絵画のよう。駒ケ岳の自然を眺めながら、購入したパンとドリンクを味わうひとときは、日常を忘れさせてくれる贅沢なブレイクタイムとなる。地元の人々はもちろん、遠方から訪れる客をも引きつけてやまない理由が、ここには確かにある。

「雫bakery」は、北海道の恵みと手仕事の温もり、そして自然とともに生きる時間を大切にしたベーカリー。駒ケ岳の麓で生まれる一つひとつのパンには、素材への敬意と、人の手で丁寧につくることへの誇りが静かに息づいている。森町を訪れたなら、ぜひ立ち寄りたい、心まで満たしてくれる一軒である。

・ 店舗情報詳細