・イチオシメニュー

札幌市中央区、南四条西15丁目。街の喧騒から少し距離を置いた場所に、静かに暖簾を掲げるのが「旬彩 ハレノヒ」だ。木村ビルの一角にあるこの店は、派手な主張こそないが、扉を開けた瞬間に“ちゃんとした食事ができる場所”だと感じさせる落ち着きがある。
・こだわり
店名にある「旬彩」の言葉どおり、ハレノヒの料理は旬を何よりも大切にしている。使われる食材はすべて北海道産。その時期、その土地で一番力を持つものだけを選び、無理に通年同じ料理を出すことはしない。「今おいしいものを、いちばんおいしい形で」。その姿勢が、献立の随所に表れている。
料理の味の軸となっているのが、30年継ぎ足しで守り続けてきた自家製のタレだ。代々受け継がれてきたこのタレは、時間が生む深みとコクがありながら、決して重くない。素材の味を覆い隠すのではなく、そっと寄り添うような存在で、焼き物や煮物に奥行きを与えている。
もう一つの大きな特徴が、すべて無添加であること。調味料に頼らず、素材と手仕事で味を組み立てるため、料理はどれも体にすっと馴染む。「外食でも、安心して食べられるものを出したい」という想いが、料理全体に一貫している。食後に重さが残らず、自然とまた訪れたくなる理由もそこにある。
酒のセレクトにも、店の姿勢がよく表れている。日本酒は北海道の地酒を中心に、常時6〜8種類を用意。料理に合わせて選びやすく、季節ごとにラインナップが変わるのも楽しみの一つだ。一方で、ノンアルコールにも力を入れており、飲まない人でも食事をしっかり楽しめる工夫がなされている。
旬彩 ハレノヒは、特別なごちそうを誇示する店ではない。しかし、旬・地元・無添加という確かな軸を持ち、日々の食事を丁寧に積み重ねている。その誠実さが、静かに、しかし確実に伝わってくる一軒だ。ここで過ごす時間は、食べることの本来の豊かさを思い出させてくれる。
・ 店舗情報詳細
旬彩 ハレノヒ
011-600-1809
北海道札幌市中央区南四条西15-1-25 木村ビル
月〜金
11:30〜14:30
17:00〜22:00
土曜日
11:30〜14:30
日

