・イチオシメニュー

群馬県前橋市荒牧町。群馬大学にほど近い住宅街の一角に、地元住民や学生たちに長年親しまれている中華食堂がある。その名は「オロチョン」。どこか懐かしい響きをもつこの店名の通り、ここには昭和の大衆食堂を思わせる温かさと、本格中華の技が息づいている。
・こだわり
オロチョンのこだわりのひとつは、何よりも“ボリュームと満足感”にある。大盛りのご飯にたっぷりの具材をのせた定食や麺類は、食べ盛りの若者はもちろん、働く大人たちの胃袋をも満たしてきた。
店名に掲げる「オロチョン」とは、北海道の辛口ラーメンを指す言葉でもある。店主はその名前をあえて取り入れ、辛さの中に旨みを閉じ込めた一杯を提供してきた。唐辛子の刺激に包まれながらも、スープの奥から立ち上るコクと甘みが顔を出す。汗をかきながらも箸が止まらない――そんな体験こそが、オロチョンラーメンの醍醐味だ。辛党はもちろん、辛さを調整して楽しめるように工夫されているため、幅広い層が挑戦できるのも嬉しい。
また、もうひとつの大きなこだわりは「手作り」への徹底である。仕込みから調理までを丁寧に行い、冷凍食品や既製品に頼らない。そのため提供される料理は、どれも素材の力がしっかりと活きている。野菜炒めはシャキシャキとした歯ごたえが残り、餃子は皮からあふれる肉汁が食欲をかき立てる。ひと皿ごとに「手作りならではの誠実さ」が宿っているのだ。
さらに、オロチョンは価格にもこだわる。学生街に近い立地だからこそ、財布にやさしく、それでいて満腹感を得られることを重視してきた。「安くて旨い」という信頼感は、長年の営業の中で地域に根付き、今では世代を超えて愛される理由となっている。
前橋に根を張り、半世紀近く愛され続ける中華食堂オロチョン。その一杯には、手間を惜しまぬ職人の心と、地域の人々を満たしたいという優しい願いが込められている。今日もまた、暖簾の奥から漂う香りが、常連も新規の客も分け隔てなく迎えている。
・ 店舗情報詳細
中華食堂 オロチョン
027-212-0887
群馬県前橋市荒牧町1-20-3
11:30 – 15:00
17:30 – 22:00
不定休
