炭火焼鳥金たろう

・イチオシメニュー

東京都葛飾区・高砂駅からほど近い路地に佇む「炭火焼鳥 金たろう」。暖簾をくぐると、炭の香ばしい香りがふわりと立ち上り、店内に一歩足を踏み入れた瞬間から食欲を刺激される。

・こだわり

店主のこだわりは、何よりも「素材の味を最大限に引き出すこと」。なかでも備長炭への強い信頼は揺るがない。「強い火力で一気に旨味を閉じ込め、外は香ばしく、中はふっくらジューシーに仕上がる。こればかりは他の炭では出せない」と語る。確かに、一串口に運べばその言葉の意味はすぐに理解できる。噛みしめるたびに肉汁が広がり、炭の薫香がふんわりと鼻を抜ける。飾り気はないが、誠実で力強い味だ。

さらに特筆すべきは、圧倒的なボリューム感だ。焼鳥の一本一本が驚くほど大ぶりで、食べ応えがしっかりある。にもかかわらず、価格は地域に根ざした店らしい良心的な設定。取材中にも「この大きさでこの値段はありがたい」と語る常連の声が何度も耳に入った。仕事帰りにふらりと立ち寄る人、家族で団らんを楽しむ人など、幅広い客層に愛されている理由はそこにある。

店内は温かみのある雰囲気で、どこか自宅のような落ち着きがある。だが、座席数には限りがあるため、特に週末は満席が続くという。店主は「せっかく足を運んでもらったお客様に断りを入れるのは本当に心苦しい。できれば事前に予約をいただけるとありがたい」と話す。人気店ならではの悩みだが、それだけ地域に根付き、信頼されている証でもある。

素材、焼き、香り、価格、そして温かい人柄。どれか一つだけが秀でているのではなく、そのすべてが調和して初めて「金たろう」の味が完成する。高砂で本物の焼鳥を堪能したいなら、この店を訪れない理由はない。備長炭の香りに包まれたひとときが、きっと忘れられない一夜になるだろう。

・ 店舗情報詳細