・イチオシメニュー

京都市西京区・山田車塚町の住宅街に、ひっそりと佇む小さなパティスリーがある。店名は「お菓子なやくぜん パティスリー MP」。扉を開けると、ふわりと季節の香りが広がり、ショーケースには色鮮やかなケーキが整然と並ぶ。しかしこの店を特別な存在にしているのは、その見た目の美しさだけではない。“薬膳の考え方”を取り入れた、体にやさしいスイーツづくりへのこだわりだ。
・こだわり
「薬膳と聞くと難しく思われがちですが、私たちが大切にしているのは“素材の力を最大限に生かすこと”。季節に合わせて体が求める味や食材を選ぶ。そんな自然な発想を、スイーツづくりにも活かしています」と、シェフは語る。
店で使う食材は、可能な限り“旬のもの、季節に寄り添うもの”。春には新鮮な柑橘やいちご、夏にはみずみずしいメロンやハーブ、秋はさつまいもや栗、冬はショウガやカカオなど、季節ごとの食材がケーキ一つひとつに丁寧に使われている。これにより、味の調和が生まれるだけでなく、薬膳が持つ「季節に応じて体を整える」という考え方が自然とお菓子に溶け込む。
さらに、同店の大きな特徴となっているのが「葉酸卵」の使用だ。栄養価が高いことで知られる葉酸を豊富に含む卵は、生地の風味やコクの深さを引き立てるだけでなく、健康面でもメリットが大きい。シェフが「お客様に安心して食べてもらえるスイーツをつくりたい」と話す背景には、子どもから大人まで、幅広い世代の“日常に寄り添うお菓子”への想いが込められている。
また、アレルギー対応を可能にしている点も、地域の人々に愛される理由の一つだ。卵・乳・小麦といった主要アレルゲンの代替食材を使い、見た目も味も他のケーキと変わらない完成度を追求する。「制限があるからこそ楽しめるお菓子もあります。喜んでいただけるよう、できる限りの工夫をしています」とシェフは微笑む。
華やかなケーキの裏側にあるのは、徹底した素材選び、季節の移ろいを感じさせる構成力、そして何より“食べる人の体を思う優しさ”。それらがひとつになって生まれるスイーツは、ただ甘いだけではなく、どこかほっとするような深い余韻を残す。
「お菓子なやくぜん パティスリー MP」は、スイーツ好きはもちろん、健康志向の人やアレルギーに悩む家族にも寄り添う、唯一無二の存在だ。季節ごとに変化するラインナップを楽しみに訪れる常連客が絶えないのも頷ける。
ここには、“体に優しい”と“美しくおいしい”が、見事に両立した新しいスイーツの世界がある。
・ 店舗情報詳細
お菓子なやくぜん パティスリー MP
075-383-5388
京都府京都市西京区山田車塚町3-102
10:00-19:30
火

