びんがた

イチオシメニュー

・ゴーヤチャンプルー
・タコスヒラヤティー
・ラフテー

神奈川県川崎市川崎区・東田町。商店街の通りを歩いていくと、赤瓦を思わせる温かな色合いと、どこか懐かしい三線の音が漂う店「びんがた」が目に入る。店の扉を開けた瞬間、ふわりと広がるカツオ出汁の香りに、思わず“ただいま”と言いたくなるような安心感がある。

・こだわり

創業以来「昔ながらの沖縄の味」を大切にしてきたびんがた。店主が口にするのは決まって「ウチナーのお母さんが作る料理を、川崎でもそのまま味わってほしい」という言葉だ。地元客が多いのはもちろん、沖縄出身者が“懐かしくて泣きそうになる味”と評判にするほど、素朴で飾らない料理が並ぶ。

看板料理であるゴーヤーチャンプルーは、まず苦味が柔らかい。聞けば、ゴーヤーはあえて“熟れ具合が絶妙なタイミング”のものを仕入れ、塩揉みの加減も微妙に変えながら調整しているという。島豆腐の力強い食感と卵の優しい甘みが合わさり、食べ進めるほどに体に染み込むような旨さが広がる。

店内の雰囲気もまた温かい。壁には沖縄の海の写真や琉球紅型(びんがた)の鮮やかな布が飾られ、テーブル席にはどこか実家のような落ち着きが漂う。常連客の笑い声と、初めて来た人への店主の柔らかい声かけが自然に混ざり合い、まるで島の小さな食堂に迷い込んだようだ。

しかし、店主にはひとつ強い想いがある。それは“もっと若い層にも沖縄料理を知ってほしい”ということだ。「沖縄料理ってヘルシーだし、味も優しい。若い子にこそ食べて元気になってほしいんですよ」と店主は語る。最近ではSNSを通じて若年層の来店も増えてきたが、それでも「本物の沖縄の味に触れてほしい」という願いは変わらない。あえて派手なアレンジはせず、昔ながらのレシピを守りながら、その美味しさを丁寧に伝え続けている。

また、ランチではリーズナブルに楽しめる定食も提供し、仕事帰りの若い社会人がふらりと立ち寄る姿も見られる。気取らず、飽きが来ない味だからこそ、一度訪れると何度でも足を運びたくなるのだ。

「びんがた」は、川崎で沖縄の原風景を味わえる貴重な場所である。ただ食事をするだけではなく、沖縄の優しさや温もりまでも受け取れる店だ。昔ながらの味を守りつつ、若い世代へも新しい風を届けたい──その想いが、料理の一皿一皿に静かに息づいている。

・ 店舗情報詳細


店名

びんがた

お問い合わせ

044-246-1709

住所

神奈川県川崎市川崎区東田町4-13

営業時間

月・火・水・木・金

11:00 – 13:00

17:00 – 23:00

17:00 – 23:00

11:30 – 22:00

定休日

祝日