・イチオシメニュー



静岡市葵区人宿町。近年、個性豊かな飲食店が集まり注目を集めるこのエリアに、「Chinese dining 縁」は静かに暖簾を掲げている。加賀ビルの一角にあるその店は、華やかさを前面に出すのではなく、街の日常に自然と溶け込む佇まいが印象的だ。取材で扉を開けた瞬間、香辛料の立ち上る香りと落ち着いた空気が同時に迎えてくれた。
・こだわり
「中華料理を、もっと身近な存在にしたかったんです」。店主のこの言葉が、この店のスタンスを端的に表している。Chinese dining 縁が目指すのは、構えすぎない中華。高級店で培われた技術や理論を土台にしながらも、日常の食事として無理なく楽しめることを何より大切にしている。コースでも単品でも、その日の気分やシーンに合わせて選べる柔軟さも、この店の魅力のひとつだ。
料理づくりで特に意識しているのは、油と香りのバランス。中華料理にありがちな重さを抑え、最後まで心地よく食べ進められるよう工夫されているという。食材は静岡の地のものを中心に、その時々で状態の良いものを選定。素材の味を活かすため、調味料や香辛料は必要最小限にとどめ、食後に余韻の残る味わいを目指している。
「縁」という店名には、人と人、人と料理をつなぐ場所でありたいという思いが込められている。常連客と初来店の客が同じ空間を自然に共有できるよう、客席の配置や照明にも細やかな配慮がなされている。スタッフの接客も、距離を詰めすぎることなく、それでいて温度のある対応が印象的で、空間全体にやわらかな一体感が生まれている。
また、仕込みや下準備を何より大切にしている点も、この店の大きな特徴だ。派手な演出に頼るのではなく、基本を丁寧に積み重ねること。その姿勢が、料理の安定感と信頼感につながっている。
「毎回完璧じゃなくていい。でも、昨日より今日、今日より明日を少しでも良くしたい」。その言葉からは、料理人としての誠実さがストレートに伝わってくる。
「特別な日に選ばれる店もいいけれど、日常の中でふと思い出してもらえる存在でありたい」。取材の最後に聞いたこの一言が、Chinese dining 縁の本質を物語っている。人宿町という街の流れに寄り添いながら、人と味を静かにつなぐ一軒。派手さはないが、確かな居心地と味わいで、訪れる人の記憶に温かな“エン”を残す店だ。
・ 店舗情報詳細
Chinese dining 縁
070-9080-6860
静岡県静岡市葵区人宿町2-4-6 加賀ビル
火・水・木・金
11:30 – 14:00
L.O. 料理13:30
17:00 – 00:00
L.O. 料理23:00 ドリンク23:30
土・日・祝日
16:00 – 00:00
L.O. 料理23:00 ドリンク23:30
祝前日・祝後日
17:00 – 00:00
L.O. 料理23:00 ドリンク23:30
月

