・イチオシメニュー




藤沢駅から程近い鵠沼石上の静かな通りに、「すしのいずみ」は暖簾を掲げている。京町家レジデンスの一角という控えめな立地ながら、店に一歩足を踏み入れると、外の喧騒がすっと遠のく。ここでは寿司を「急いで食べるもの」ではなく、「向き合って味わうもの」として提供していることが、空間づくりからも伝わってくる。
・こだわり
店主は伊豆の出身。幼い頃から海と魚に親しんできた経験が、今の寿司づくりの原点になっているという。「伊豆の食材と、全国から仕入れた旬の食材を楽しんでいただきたい」。その言葉通り、仕入れは特定の産地に縛られず、その時季、その日の状態を見極めて行われる。伊豆近海の魚をはじめ、全国各地から届く旬のネタが、最良の形でカウンターに並ぶ。
ネタの扱いは実に丁寧だ。魚ごとに寝かせの時間を変え、包丁の入れ方も微調整する。派手な仕事はしないが、口に入れた瞬間に違いがわかる。旨みがゆっくりと広がり、余韻を残して消えていく。その静かな美味しさこそが、「すしのいずみ」の真骨頂だ。
シャリもまた、店主の哲学を映す存在である。米の状態や湿度、ネタを支える役に徹する。主張しすぎず、それでいて印象に残る一体感は、長年の試行錯誤の賜物だ。
昼の営業は事前予約制のみ。これは限られた時間でも夜と同じ質を保ちたいという強い意志からだという。人数を絞り、目の届く範囲で、一貫一貫に集中する。その姿勢が、食事の満足度を自然と高めている。
また、苦手な食材やアレルギーについても、事前に伝えれば可能な限り対応してくれるのも、この店の大きな特徴だ。「同じコースでも、その人にとって一番美味しい形で出したい」。そんな思いが、おまかせの一皿一皟に込められている。
「すしのいずみ」は、特別な演出で驚かせる店ではない。伊豆と全国の旬を真摯に受け止め、誠実な仕事で寿司に仕立てる。その積み重ねが、静かな感動を生む。寿司と向き合う贅沢な時間を、ここでぜひ体験してほしい。
・ 店舗情報詳細
すしのいずみ
0466-52-8583
神奈川県藤沢市鵠沼石上1-2-18 京町家レジデンス 102
12:00-14:00
17:30-23:00
日

