CREPE SHOP CHOCO

・イチオシメニュー

大分県日田市・豆田町の町並みを歩いていると、歴史ある建物の軒先に漂う甘い香りに足を止めたくなる——その先にあるのが「CREPE SHOP CHOCO（クレープショップ チョコ）」だ。古い町家を生かした風情ある外観と、手に持つだけで心が浮き立つようなクレープが、観光客にも地元の人にも愛されている。

・こだわり

同店の最大の特徴は、“薄い記事”。一般的なクレープよりも驚くほど薄く焼き上げられた生地は、まるで和紙のように繊細で、口に入れるとふんわりと溶けるような軽さがある。それでいて、しっかりとしたコクと香ばしさを持ち、具材との一体感を生む。店主は「生地は主役ではなく、あくまで引き立て役。具材を包み込みながらも味を邪魔しないようにしています」と語る。そのこだわりから、焼きの温度、粉の配合、水分量まで、天候や湿度によって微調整を欠かさないという。

中でも人気の一品が、「イチゴバナナチョコ」。見た目の愛らしさもさることながら、薄い生地の中にたっぷりと詰まった苺とバナナ、チョコとクリームのハーモニーが絶妙だ。フレッシュな苺の甘酸っぱさと、チョコとホイップの優しい甘さ、そしてクレープ生地の香ばしさが三位一体となり、口の中でとろける。甘さのバランスにも細心の注意を払っており、最後まで飽きずに食べられるのが人気の理由だ。

豆田町は江戸時代から続く商家町として知られ、国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている。その歴史ある街並みに溶け込むように佇む「CREPE SHOP CHOCO」もまた、“観光地らしさ”と“手作りの温もり”を両立している店だ。観光客が多く訪れる立地ながら、どのクレープも注文を受けてから一枚ずつ丁寧に焼き上げられる。そのため、手渡された瞬間にはまだ温もりが残り、焼きたての香りがふわりと立ちのぼる。

一方で、駐車場がないため、観光散策の途中に立ち寄る人が多いのもこの店ならでは。徒歩でのんびりと街を歩きながら、クレープ片手に豆田の風情を味わう——そんなスタイルがすっかり定番になっている。

観光地の甘味処という枠を超え、訪れた人の記憶に残る一枚を提供する「CREPE SHOP CHOCO」。その薄くて軽やかなクレープは、どこか懐かしく、そして新しい。豆田町の古い町並みとともに、ここでしか味わえない“やさしい時間”を運んでくれる。

・ 店舗情報詳細